ひと目でピンとくる 伝わる写真の撮り方

About

はじめに

隼田正洋 – Masahiro Hayata –

Webプロデューサーが撮る「目的を達成する」写真

業務で写真を使うとき、多くの場合は何かの目的を達成するためのツールとして写真を利用されていると思います。

  • 「記事の閲覧数を増やしたい」
  • 「Eコマースで販売数を増やしたい」
  • 「プレゼンを承認してもらいたい」

掲載する写真はそれっぽければ何でもいいわけではなく、それぞれ用途に適した写真をチョイスしないと本来の目的を達成するのが難しくなったりするものです。

私自身、これまでWebプロデューサーとして数々のサイトに掲載する写真をセレクトしてきましたが、フォトストックサービスなど”ありもの”を探しても完璧に意図通りの写真が見つかることはけっこう稀であるため、時間とコストが許す限り、コンテンツに最も適した写真を用意するようになりました。こういった経験から、自ら写真を撮影するにあたり、目的を達成する後押しとなる写真を撮ることを強く意識するようにしています。

このサイトでは、普段、ビジネスポートレートや企業イベントの記録写真、記者会見や商品写真の撮影などを行っている筆者が、自身の実体験から、目的達成ドリブンの写真撮影ノウハウ、写真を撮影するときの心構えなどを紹介します。

コンテンツの構成

「写真の撮り方」に関する本であったりウェブサイトは世の中に星の数ほどあるわけですが、本を読んでわかったつもりになっていても実際に撮影現場では想像通り撮れないものです。一方でひたすら自己流で写真を撮り続けたとしても原理原則を理解していないと、トライアンドエラーの繰り返しでイメージ通りの仕上がりになるまでとても時間がかかります。原理原則の理解とその実践をバランス良く進めることではじめて、現場で自由自在にコントロールできるテクニックが身につくものです。本サイトでは様々な撮影ノウハウを紹介しつつ、ご自身で試していただくときの参考になるように詳しく説明を加えています。

「Grain Photo」とは?

Grain Photoの”grain”とは「粒」とか「粒子」といった言葉です。その昔、フィルムで写真を撮っていた時代、現像から上がってきた写真をよく見るとフィルムならではのノイズや粒子感のようなものを感じとることができました。この粒子感のことをフィルムグレインといいます。当時はこの粒子感をなるべく目立たなくするようフィルムメーカーも工夫していたわけですが、デジタル全盛の今の時代においては、むしろこの粒状感こそがフィルムならではの雰囲気を表現しているようにも感じられます。実際にPhotoshopやPremiereでこの粒状感をあとから追加するようなプラグインも存在するほどです。

このサイトではフィルムグレインの「grain=粒」のように、構図や絞りといった明確にデジタルに表現できる指標だけでなく、気配や感覚といった心情に訴えかける要素まで含めて写真の撮り方を伝えていきたいと思っています。そんな思いをGrain Photoというサイト名に込めました。