ひと目でピンとくる 伝わる写真の撮り方

カメラバッグを選ぶ視点(ストリートスナップ用)

はじめに

撮影機材を運搬するのにどんなカメラバッグを使ってますか?その日の撮影で使う機材の種類や量、撮影スタイルによって求められるスペックが変わってきますし、カメラバッグは機材の運搬道具であるのと同時にバッグはバッグなので見た目の印象や自分の好みに合うかどうかも重要な要素です。

かくいう私も用途に応じてカメラバッグを使い分けていまして、今日紹介するのはプライベートでスナップ撮影のときに使うカメラバッグです。クランプラーというメーカーの「7ミリオンダラーホーム」というバッグです。

クランプラー「ミリオン・ダラー・ホーム」 – デジカメWatch

本当はメーカー公式サイトの商品ページへのリンクでも貼りたいところなのですが、実はこのバッグ、けっこう前に販売終了となっていて現行品は存在しないのです。私が購入したのは2009年だったと思います。それ以降、趣味に仕事にあらゆる現場にこのバッグで機材を持ち運びました。

実際の利用シーン

私がこのカメラバッグを持ち出すのは、ほぼスナップ撮影の時です。スナップを撮りに出かけるときは、まず「今日は表参道あたりで写真を撮ってみるか」といった感じで、ざっくりその日のターゲットエリアを決めます。機材をこのバッグにつめて電車に乗って目的地に向かって移動。目的地最寄りの駅に着いたらバッグから機材を取り出して、カメラ片手にブラブラ歩き回ります。

このカメラバッグを斜めがけにした状態で、フタを開けてバッグの中を覗き込んでみたのがこの写真です。真ん中に標準ズームをつけた状態のカメラボディ。見えづらいですが、右側の白っぽいものはRF70-200mmという望遠ズーム、左側はRF15-35mmという広角ズームです。クッション材でバッグ内を大きく3つに分割してレンズ3本+ボディ1台を収納できるようにしています。

最近はバッグが重くなりすぎることに尻込みして、広角ズームを持ち歩かず、RF28-70mm、RF70-200mmという標準ズームと望遠ズームの2本だけを持ち出すことが多いですが、このバッグを使い始めた10年以上前はだいたい3本持ち歩いていました。

気に入ってるところ

似たようなカメラバッグは世の中にたくさんあるわけですが、なぜこのバッグを使い続けているのか?私が考えるこのバッグのメリットは以下のようなものです。

  • デザインが悪くない
  • 素材がとても頑丈で、やぶれない、傷つかない、ほつれない
  • クッションが効いてて外部の衝撃が内部にあまり伝わらない
  • ベルトが幅広なので機材の重量を分散してくれる
  • 見た目以上に大容量
  • 形状がしっかりしていて型崩れしにくい
  • 間口が広い

といった感じ。カメラバッグですから頑丈かつクッション性は重要ですが、たまに耐久性がいまいちのバッグもあります。私もこれまで様々な種類のカメラバッグを使ってきましたが、素材がけっこうペラペラで衝撃をあまり吸収できなそうなものもありました。また、バッグ本体とベルトの接続部の耐久性もけっこう重要です。カメラとレンズ3本となるとバッグの中身は5〜7kgになるわけで、走ったりするとベルトのつなぎ目にかなりの負荷がかかります。そうすると縫製の甘いバッグはすぐに縫い目がほつれたり、金属製のフックだったとしても金属疲労で曲がったり折れたりすることもあります。その点、このバッグは極めて頑丈。石の壁にガリガリこすりつけられようが、突起物にひっかかろうが、ほつれにくく、傷も残りにくいのです。ベルトのつなぎ目も頑丈そのもので、10年以上酷使してもほつれすら見えません。

ベルト幅も重要です。機材はかなりの重量になるので、ベルトが細いと肩に食い込んで長時間持ち歩くのがつらくなるのです。ベルトとバッグ本体のつなぎ目の耐久性にしても幅が広い方が負荷が分散しそうな気がしますしね(あくまでも気がするだけで実際どうなのかは不明)。

容量もカメラバッグを選択するにあたって気になる要素ですよね。このバッグの容量は13リットル。外見的にはもうちょっとコンパクトな斜めがけバッグに見えるかもしれませんが、実はかなりの大容量バッグです。カメラボディ+いわゆる大三元レンズをしっかり格納できます。カメラボディにバッテリーグリップがついた状態で格納できるのもポイントです。グリップをつけると格納できないバッグはけっこう多いのです。

そして、意外と重要なのはデザイン性。カメラバッグは機能性が重視されるあまり、デザインがないがしろにされていると感じるものが少なくありません。このバッグがデザイン的に優れているかと言われれば、そこは好みの問題ではあるのですが、いわゆる「いかついカメラバッグ」といった感じのしないカジュアルなデザインです。カメラバッグと言っても撮影機材を運搬する機能だけが備わっていたらいいわけではなく、あくまでもバッグですので、自分が気にいることができるかどうかも重要なファクターだと思います。

といった感じで、デザインと耐久性が優れているからこのカメラバッグを使っているわけですが、スナップで使うカメラバッグとして私が最も重要だと思っているのが「型崩れしにくい形状」かつ「間口の広さ」です。

その場で立ったままレンズ交換

間口が広く、型崩れしにくいことが重要な理由。それは私がバッグをたすき掛けした状態のままレンズ交換を行うからです。

このバッグでスナップ撮影に出かけている時のレンズ交換のステップを書いてみます。

①ボディとレンズを手に持っている
スナップ撮影時はカメラボディに何かしらのレンズをつけた状態で首から下げる、もしくは手に持っています。この状態で目に飛び込んできた光景をクイックに撮影します。被写体によってはレンズ交換が必要になることもあります。今回はボディについている黒い標準ズームから、カメラバッグの右側に格納している白いレンズへとチェンジすると仮定します。まずカメラバッグのフタを開いて、これから使おうとする白いレンズのリアキャップを緩めて、持ち上げたらすぐにキャップが外れる状態にします。

②ボディからレンズを外す
これから使うレンズのリアキャップを緩めたら、ボディを下に向けてレンズを外し、カメラバッグの空いているスロットに外したばかりのレンズを入れます。ボディを下に向ける理由は、レンズを外したマウント内部にほこりが入ってくるのを防ぐためです。

③リアキャップを付け替える
これから使う白いレンズのリアキャップをはずし、つい今しがたバッグに格納したばかりのレンズのマウント部にキャップをパカッとはめます。

④レンズを装着
リアキャップをはずして後玉がむき出しになっている白いレンズをバッグからすみやかに取り出し、下を向けたままにしているボディにレンズを装着します。

①から④までをだいたい5秒以内で終わらせます。屋外でのレンズ交換はボディへのホコリ混入を避けるため、なるべくスピーディーに済ますようにしています。

リュックタイプのカメラバッグの場合、その構造上どうしても一度背中からリュックを下ろして、地面や台のような場所に置かないとレンズ交換ができません。最近ではリュックのサイドにファスナーがついていて、横から機材の出し入れができるようなものも増えていますが、さすがに立ったままレンズ交換まではできません。

動かない被写体を狙うようなシチュエーションで、ゆっくり撮影の準備ができる環境ならいいのですが、スナップ撮影では往々にして「いま見えている光景をすぐに撮りたい」という状況が多いものです。特にレンズを交換しようというタイミングは「あの被写体を撮るにはこのレンズが必要」と考えているわけで、すでに被写体を前にして作画イメージも明確になっている状態ですので、すぐにでも撮りたいわけです。そんなときにカメラバッグをおろして、おもむろにレンズを取り出して、といった感じでのんびりレンズ交換したくないのです。そのようなわけで、間口が広く型崩れしにくいこのバッグは、スナップ撮影時に立ったままレンズ交換するには最適なバッグなのです。

ヤフオクで予備バッグを購入

左が2009年に購入したもの。右がヤフオクで購入した新品同様品。

ところが、残念ながらこのバッグは5〜6年前に販売終了となってしまいました。クランプラーは今でも最新型のカメラバッグを販売しているのですが、現行の斜めがけバッグはこれよりも小型で、このスタイルでこのサイズのものは現行品では存在しないのです。今のバッグをそのままずっと使い続けるのもよいのですが、さすがに12年もハードに使っていると後どれだけ使えるか不安になってくるものです。そこでヤフオクに同じものが出てこないか定期的にウォッチしていたのですが、ついに見つけました!新品同様の超美品!これでこの先10年も安心してこのバッグを使い続けることができます。

A4紙やノートパソコンは入らない

ここまでこのバッグのメリットばかり書きましたが、デメリットもひとつ。私が感じる唯一のデメリットはA4の紙やノートパソコンを入れるスペースがないことです。スナップ撮影のついでに紙を持ち運んだり、お店で本を買ったりすることもあると思います。そういったものはこのバッグには入らないのです。業務として写真を撮る場合は高確率でノートパソコンが必要になるのですが、パソコンを収納できるスペースがないので、このバッグだけで必要なものを全て持ち運ぶことができません。そのようなわけで、業務撮影時は別のカメラバッグを使うようにしています。ちなみに、業務撮影時はスナップのように「今この場で立ったままレンズ交換したい!」というシチュエーションは稀です。スタジオポートレートや物撮りの場合、機材をテーブルなどに並べておいて、必要なものをその場でセットすることができますし、イベント撮影でレンズを使い分けて撮るような場合は、そもそもボディを2台用意してレンズ交換なしで撮りわけられるようにしています。

まとめ

今回紹介したクランプラーの7ミリオンダラーホームは、私にとってプライベートのスナップ撮影にベストなカメラバッグです。もちろん、同じようなニーズを満たすことができるバッグは現行品でも多々あるかとは思うのですが、このバッグは実際に10年以上使い続けてきた信頼がありますので、おいそれと他のバッグに移行しづらかったりします。これまで何度か他のバッグを買って同じように使い倒してみたことがあるのですが、外見や機能性はいいのに、ちょっとハードに使うとすぐに縫製が緩んでしまうような状況に何度も遭遇したので、なおさら信頼度が高いこのバッグを使い続けたくなってしまいます。

とはいえ、このバッグが万人にマッチするかというと、決してそんなことはないと思います。何を撮るか?どのぐらいの量の機材を持ち運ぶのか?どういった撮影スタイルなのか?といった要件によって、バッグに求めるスペックは変わってきます。そのため、カメラバッグを購入する場合は、Amazonなどネット経由ではなく、家電量販店などで実際に手に取って検討されることをお勧めします。自分が持ち運ぼうとする機材がしっかり格納できるのか。機材の取り出しやすさ、格納しやすさは満足いくレベルか。といった細かい使い勝手まで確認した上で、ご自身にマッチしたバッグを選ばれることをお勧めします。

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